私が職人さんや業界の先輩から教えていただいたサイズ直しの手順と、
なぜアームが細くなってしまうかを図解入りで説明してみます。
アームの地金を切断して開き、必要な地金を足して、繋いで仕上げと、
(サイズを小さくする場合は地金を必要な分だけカットします。)
単純に思われがちですが、職人さんにとっては腕を問われる作業なんです。
糸鋸でアームの一番細い部分を切ります。
このとき、アームに対して垂直に切り目を入れないと繋ぐ段階でゆがみの原因になります。
サイズ分までアームを拡げます。
アームを拡げるときにもゆがみが出ないように注意しなくてはいけません。
このとき金属部分が薄かったり、地金が硬すぎると以前の記事で紹介したように
ポッキリと折れてしまうのです。
プラチナなら5~10%、ゴールドであれば25%も別の金属が入る分、やはり品質が違い、
色はもちろん、硬さや粘りが異なる分加工のしやすさも違うんですって。
たいてい私のお願いする職人さんは上質の扱いやすい地金を使うので、
混ぜ物のよくないジュエリーの修理をお願いするとちょっと嫌がられます。
裏を抜きすぎない、指あたりをきちんと取ったリングならこういったことは起こりません。
継ぎ足した地金をロウ材で繋ぎます。
はっきりと仕上がりに違いが出るのはこの工程で、図解すると簡単に見えますが、
前後上下を歪みなく繋ぐのは非常に難しい作業だそうです。
余分な地金を削ります。
右のようにずれてしまうと、引っ掛かりをなくして指あたりを滑らかにするために
黒で塗りつぶした部分まで、もともとの地金を削らないといけません。
図は上下だけにずれていますが、もし前後にもずれていたら同じだけ薄くなります。
図はかなり大げさですが、仕上がりに違いが出るのはお分かりいただけたでしょうか。
サイズの縮めすぎ・拡げすぎは全体的なフォルムを崩してしまうので、
お断りする場合もございます。まずはご相談くださいね。
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